突然の訃報を受けたとき、「通夜・告別式のどちらに参列すべきか」「何に気をつければよいか」と戸惑う方は少なくありません。
通夜と告別式には、それぞれ異なる意味合いがあり、参列時のマナーも微妙に違います。
この記事では、通夜・告別式の参列マナーについて、基本的な知識から実際の振る舞い方まで詳しく解説します。
通夜と告別式の違いを理解しよう
通夜とは
通夜は本来、故人の親族や親しい人たちが一晩中故人に寄り添い、最後の時間を過ごす儀式でした。現在では、多くの場合1〜2時間程度の「半通夜」として執り行われています。
通夜の特徴
- 時間:一般的に18時〜19時頃開始
- 参列者:親族、友人、職場関係者など幅広い
- 服装:準備が間に合わない場合は平服でも可(ただし地域により異なる)
- 所要時間:30分〜1時間程度
告別式とは
告別式は、故人との最後のお別れをする儀式です。通夜よりも格式を重んじる傾向があり、正装での参列が基本となります。
告別式の特徴
- 時間:一般的に10時〜13時頃開始
- 参列者:特に親しい関係の方が中心
- 服装:正装(喪服)が基本
- 所要時間:1〜2時間程度
昔は通夜といえば夜通し行うものでしたが、現在では参列者の都合を考慮した「半通夜」が主流になっています。特に都市部では、平日の告別式に参列しにくい職場関係者が通夜に参列するケースが増えています。
そのため、通夜であっても失礼のないよう、ある程度きちんとした服装で参列することが望ましいとされています。
どちらに参列すべきか〜関係性別の判断基準〜
両方参列する場合
親族・家族
故人の親族や家族は、基本的に両方に参列します。
特に配偶者、子、親、兄弟姉妹などの近親者は、準備や対応で忙しくなることも考慮しておきましょう。
特に親しかった友人
故人と特別親しい関係にあった友人は、両方に参列することが一般的です。
ただし、遺族の意向を確認することも大切です。
どちらか一方に参列する場合
職場関係者
平日の告別式は時間的に厳しい場合が多いため、通夜に参列することが一般的です。
ただし、部長職以上や特別な関係にある場合は告別式に参列することもあります。
近所の方・知人
関係性によりますが、通夜に参列することが多いようです。
告別式は比較的親しい関係の方が参列する傾向があります。

参列時の基本的な流れとマナー
受付でのマナー
受付は葬儀の第一印象を決める重要な場面です。以下のポイントを心がけましょう。
受付での手順
- 記帳台で芳名帳に記名
- 香典を手渡し
- 一礼して「この度はご愁傷さまでした」とお悔やみの言葉
記帳時の注意点
- 毛筆または筆ペンで丁寧に記入
- 住所は都道府県から正確に
- 会社名・部署名も忘れずに記入

式場での振る舞い
座席について
- 前方は親族席のため避ける
- 受付で案内がある場合はその指示に従う
- 空いている席に静かに着席
式中のマナー
- 携帯電話はマナーモードまたは電源オフ
- 私語は慎む
- 咳やくしゃみは控えめに、ハンカチで口元を覆う
葬儀では、普段気にしない細かな振る舞いも注目されがちです。例えば:
- 歩き方:会場内ではゆっくりと静かに歩く
- 立ち座りの音:椅子を引く音なども気をつける
これらは意識しすぎる必要はありませんが、故人と遺族への敬意として心がけたいものです。
子供連れでの参列マナー

子供の年齢別対応
乳幼児
- 可能であれば預けることを検討
- 参列する場合は途中退席できる席を確保
- 泣き声に備えてすぐに退席できる準備を
小学生以上
- 静かにする約束をしてから参列
- 黒または紺の服装(制服でも可)
- 携帯ゲームなどは持参しない
子供を連れて参列する際、葬儀について適切に説明することが大切です:
年齢に応じた説明
- 幼児:「おじいちゃん(故人)とお別れをしに行く」
- 小学生:「最後のお別れの大切な時間」
- 中学生以上:葬儀の意味や作法についても説明
子供にとっても、生と死について考える大切な機会となります。
よくある質問とトラブル対処法
Q1: 香典を忘れた場合はどうすればよい?
A: 受付で正直に伝え、後日改めて持参するか現金書留で送りましょう。その場では記帳のみ行い、お悔やみの言葉をしっかりとお伝えください。
Q2: 遅刻してしまった場合は?
A: 式が始まっている場合は、係員に相談してから入場しましょう。読経中などは待機し、適切なタイミングで案内してもらいます。
Q3: 途中で体調が悪くなった場合は?
A: 我慢せず、係員に相談して休憩場所を案内してもらいましょう。
新型コロナウイルスの影響で、葬儀のマナーにも変化が生まれています:
新しいマナー
- マスクの着用が一般的に
- 受付での手指消毒
- 適度な距離を保った着席
- オンライン参列という選択肢も
これらは感染対策としてだけでなく、参列者への思いやりとしても重要になっています
まとめ

通夜・告別式への参列は、故人への最後の敬意を示し、遺族を慰める大切な機会です。完璧な作法を覚える必要はありませんが、以下の基本的な心構えを持って参列しましょう。
参列時の心構え
- 故人への敬意を忘れずに
- 遺族の気持ちに寄り添う
- 静粛で品位のある振る舞いを心がける
- わからないことは素直に尋ねる
振る舞いの基本
- 携帯電話はマナーモード
- 私語は控えめに
- 時間に余裕を持って行動
葬儀は故人を偲び、遺族と悲しみを分かち合う場です。
まずは真心を込めた参列を心がけることが最も大切です。
滋賀葬祭では、葬儀に関する様々なご相談を承っております。参列マナーについてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。


