目次
弔問客対応の基本姿勢
弔問客への対応は、故人への最後のおもてなしでもあります。遺族として悲しみの中にありながらも、故人を偲んでお越しいただいた方々に感謝の気持ちを込めて丁寧に対応することが大切です。
完璧な対応を心がける必要はありません。心からの感謝の気持ちを表すことが最も重要です。
通夜での弔問客対応
到着時の対応
- 出迎え:玄関や受付付近で弔問客をお迎えします
- 挨拶:「お忙しい中、お越しいただきありがとうございます」
- 案内:受付の場所や靴の置き場所などを案内します
- 香典受領:香典をいただく際は「恐れ入ります」「ありがとうございます」
通夜中の対応
- お礼の言葉:焼香後に「ありがとうございました」と一言お礼を述べます
- 故人との思い出:弔問客から故人の思い出を聞かせていただいた際は感謝を込めて傾聴します
通夜振る舞いでの対応
- 食事への案内:「お時間がございましたら、お食事をご用意しております」
- 席でのお話:故人の思い出話に耳を傾け、感謝の気持ちを表します
- お見送り:お帰りの際は「本日はありがとうございました」
葬儀式での弔問客対応
式前の対応
- 早めの到着者への挨拶:早く到着された方への感謝の挨拶
- 個人的な挨拶:特にお世話になった方への個別の感謝の表現
式後の対応
- お見送り:出棺時の参列者への感謝の表現
- 精進落としへの声かけ:参加していただく方への声かけ
- 個別のお礼:特にお世話になった方への個別の感謝
特別な弔問客への対応
故人の上司・同僚
- 丁寧な挨拶:「生前は大変お世話になりました」
- 職場での様子:故人の職場での様子について聞く機会があれば傾聴
- 今後の挨拶:「今後ともよろしくお願いいたします」
遠方からの弔問客
- 交通の配慮:駐車場の案内や交通手段の確認
- 宿泊の配慮:必要に応じて宿泊先の情報提供
- 特別な感謝:「遠いところありがとうございます」
高齢の弔問客
- 体調への気遣い:「お疲れではありませんか」などの声かけ
- 感謝の表現:「お足元の悪い中ありがとうございます」
お子様連れの弔問客
- 理解を示す:お子様の様子に対する温かい理解
- 感謝の表現:「お忙しい中ありがとうございます」
香典・供花・弔電への対応

香典を受け取る際
- 受領の挨拶:「恐れ入ります」「ありがとうございます」
- 両手で受け取る:丁寧に両手で受け取ります
- 一礼:受け取った後は必ず一礼します
- 記録の確認:芳名帳への記帳を確認します
供花・供物への対応
- 到着時の確認:供花の送り主と配置を確認
- 感謝の表現:「お心遣いありがとうございます」
- 適切な配置:故人との関係に応じて配置を決定
- お礼状の準備:後日のお礼状送付の準備
弔電への対応
- 内容の確認:弔電の内容と送り主を確認
- 読み上げの準備:式中に読み上げる弔電の選定
- 感謝の表現:送り主に対する感謝の気持ち
困った場面での対応方法
予期せぬ大勢の参列
- 感謝の表現:「こんなに大勢の方にお越しいただき、故人も喜んでいると思います」
- 葬儀社との連携:葬儀担当者と共に対処にあたり、座席の追加や会場の調整を相談します
- 謝罪と感謝:「手狭で申し訳ございません」「ありがとうございます」
遅れて到着した弔問客
- 温かい対応:遅れを責めることなく温かく迎える
- 感謝の表現:「お忙しい中お越しいただき、ありがとうございます」
言葉遣いとマナー
使用すべき敬語
- 感謝の表現:「ありがとうございます」「恐れ入ります」
- 案内の表現:「こちらへどうぞ」「お席はこちらになります」
- 謝罪の表現:「申し訳ございません」「失礼いたします」
避けるべき表現
- 忌み言葉:「重ね重ね」「たびたび」「いよいよ」
- 直接的な死の表現:「死ぬ」「死亡」→「亡くなる」「永眠」
- 生返事:相手の話をしっかり聞いて適切に応答
表情と態度
- 落ち着いた表情:悲しみを表しながらも品位を保つ
- 丁寧な姿勢:正しい姿勢で相手と向き合う
- 相手への配慮:弔問客の気持ちや状況に配慮
家族葬での弔問客対応
事前の連絡対応
- 参列の可否:家族葬の場合の参列範囲の説明
- 丁寧な説明:「身内のみで執り行います」
- 感謝の表現:「お気持ちだけで十分です」
当日の対応
- 少人数での配慮:アットホームな雰囲気づくり
- 個別の対応時間:一人ひとりとの時間を大切にする
- 記念品の配慮:香典返しや記念品の準備
葬儀後のお礼

お礼状の送付
- 送付時期:葬儀から一週間以内を目安
- 内容:参列への感謝と故人への思いやり
- 宛先確認:芳名帳を元に正確な宛先を確認
香典返し
- 時期:四十九日法要後が一般的
- 金額:いただいた香典の半額程度が目安
- 品物選び:消耗品や日用品が適切
継続的な関係
- 年忌法要の案内:お世話になった方への案内
- 近況報告:必要に応じて家族の近況をお知らせ
- 感謝の継続:機会があるごとに感謝の気持ちを表現
まとめ
弔問客への対応は、故人への最後のご恩返しでもあります。完璧である必要はありませんが、心からの感謝の気持ちを込めて、一人ひとりに丁寧に対応することが大切です。
悲しみの中での対応は大変ですが、故人を偲んでお越しいただいた方々との時間を大切にし、温かい気持ちでお迎えしましょう。
家族や親族、葬儀社スタッフと協力しながら、無理のない範囲で心のこもった対応を心がけてください。