弔電の文例と送り方

弔電は、葬儀に参列できない際にお悔やみの気持ちを伝える大切な手段です。適切な文面と正しい送り方で、故人への敬意と遺族への思いやりを表現しましょう。

目次

弔電とは

弔電(ちょうでん)は、お悔やみの気持ちを込めて送る電報のことです。遠方にいる、仕事の都合がつかない、体調不良など、やむを得ない理由で葬儀に参列できない場合に利用します

現代では、従来の電報に加えて、お花と一緒に送る「フラワー電報」や、ぬいぐるみと組み合わせた電報なども選択できるようになっています。

弔電を送るタイミング

送るタイミング

通夜の前まで
弔電は通夜の開始前までに届くよう手配するのが理想的です。遅くとも葬儀・告別式の開始前には到着していることが重要です。

当日配達も可能
多くの電報サービスでは当日配達に対応していますが、確実性を考えると前日までの手配が安心です。

送る場所

葬儀会場宛て
最も一般的で確実な方法です。葬儀会場の正式名称と住所を確認して送ります。

自宅宛て
自宅で葬儀を行う場合や、葬儀会場が分からない場合に利用します。

弔電の送り方

弔電の申し込み方法は複数あり、それぞれにメリットがあります。最近では葬儀社での取り扱いも増えており、選択肢が広がっています。

電話での申し込み

NTT 115番
24時間受付で、オペレーターが丁寧に対応してくれます。料金は基本的に後日請求です。

手順は簡単で、115番に電話をかけ、弔電である旨を伝えます。その後、お届け先(葬儀会場または自宅)、宛名(喪主名)、差出人名、文面を伝えます。

インターネットでの申し込み

NTT東日本・西日本のサイト
24時間いつでも申し込み可能で、料金も電話より若干安く設定されています。文例も豊富に用意されており、選択するだけで簡単に申し込めます。

民間の電報サービス
さまざまな装飾や付加サービスが選択でき、個性的な弔電を送ることができます。

葬儀社での申し込み

葬儀社の弔電サービス
最近では葬儀社が弔電を取り扱っている場合があります。
葬儀の手配と同時に弔電も依頼でき、会場への確実な配達が保証されるため安心です。

葬儀社経由の場合、会場の詳細な情報を把握しているため配達ミスが少なく、葬儀の進行に合わせた適切なタイミングで紹介してもらえるメリットがあります。

郵便局での申し込み

レタックス
郵便局で取り扱っている電報サービスです。料金が比較的安く、全国の郵便局で申し込めます。

宛名の書き方

喪主宛てが基本

弔電の宛名は、基本的に喪主の名前にします。喪主が分からない場合は「○○○○様ご遺族様」として送ることもできます。

会社関係の場合

故人が会社員だった場合、「○○会社 ○○部 ○○○○様ご遺族様」のように、所属と名前を明記します。

敬称について

個人名の場合は「様」、ご家族全体の場合は「ご遺族様」「ご家族様」を使用します。

基本的な弔電文例

一般的な文例

短文タイプ
「ご逝去を悼み、心からお悔やみ申し上げます。」

「この度はご愁傷様でした。心よりお悔やみ申し上げます。」

「突然の悲報に接し、心からお悔やみ申し上げます。」

やや長文タイプ
「○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」

「○○様の突然の訃報に接し、驚きとともに深い悲しみに包まれております。ご遺族の皆様のお悲しみはいかばかりかとお察しいたします。心からお悔やみ申し上げます。」

敬語を使った丁寧な文例

「○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。ご生前中は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。」

「○○様のご訃報に際し、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。ご遺族の皆様におかれましては、お力落としのことと存じますが、どうぞお体を大切になさってください。」

関係性別の文例

職場関係

上司・先輩の場合jij
「○○課長のご逝去の報に接し、深い悲しみに包まれております。ご生前のご指導ご鞭撻に深く感謝するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」

同僚の場合
「○○さんの突然の訃報に接し、言葉もございません。ご一緒にお仕事をさせていただいた日々を懐かしく思い出しております。心からお悔やみ申し上げます。」

部下の場合
「○○君のご逝去を悼み、深い悲しみに包まれております。将来を嘱望されていただけに、返す返すも残念でなりません。心からご冥福をお祈りいたします。」

友人・知人

親しい友人の場合
「○○さんとの楽しい思い出が昨日のことのように蘇ります。突然のお別れに心の整理がつきませんが、安らかにお眠りくださることをお祈りしています。」

学生時代の友人
「学生時代をともに過ごした○○さんの訃報に接し、深い悲しみに包まれております。在りし日のお姿を偲び、心からご冥福をお祈りいたします。」

取引先・顧客

会社代表の場合
「○○社長様のご逝去の報に接し、衷心よりお悔やみ申し上げます。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」

担当者の場合
「○○様には長年にわたりお世話になり、心から感謝いたしております。ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」

避けるべき言葉と表現

忌み言葉

重ね言葉
「重々」「度々」「再び」「返す返す」などの重ね言葉は、不幸が重なることを連想させるため避けます。

直接的な表現
「死ぬ」「死亡」などの直接的な表現は避け、「ご逝去」「お亡くなり」などの婉曲表現を使用します。

宗教的配慮

仏教以外の場合
「成仏」「冥福」などの仏教的な表現は、キリスト教や神道の場合には適切ではありません。「安らかにお眠りください」などの表現が無難です。

無宗教の場合
特定の宗教的な表現を避け、「安らかにお休みください」「心からお悔やみ申し上げます」などの表現を使用します。

料金と支払い方法

基本料金

NTTの場合
文字数に応じて料金が設定されており、25文字以内で700円程度から利用できます。

装飾オプション
台紙の装飾や押し花などのオプションを追加すると、追加料金が発生します。

支払い方法

電話申し込みの場合
通常は電話料金と合算して後日請求されます。

インターネット申し込みの場合
クレジットカード決済が一般的で、即座に決済が完了します。

よくある失敗と対処法

宛先の間違い
葬儀会場の正式名称と住所を事前に確認し、間違いのないよう注意しましょう。葬儀社経由で依頼する場合は、このような心配がありません。

タイミングの失敗
通夜や葬儀の開始時間を確認し、それに間に合うよう余裕を持って手配しましょう。葬儀社に依頼する場合は、進行スケジュールに合わせて適切に紹介してもらえます。

配達の確実性
直接電報会社に依頼する場合は配達ミスのリスクがありますが、葬儀社経由であれば会場情報を正確に把握しているため安心です。

特殊なケースの対応

海外から送る場合

国際電報
海外から日本に弔電を送る場合は、国際電報サービスを利用します。時差を考慮して余裕を持って手配しましょう。

会社からの弔電

会社名義
会社として弔電を送る場合は、差出人を「株式会社○○ 代表取締役 ○○○○」などと明記します。

弔電以外の選択肢

香典の郵送

弔電と合わせて、または弔電の代わりに香典を郵送する方法もあります。現金書留で送り、お悔やみの手紙を添えます。

後日弔問

葬儀後に改めて自宅を訪問し、直接お悔やみを申し上げる方法です。遺族の都合を確認してから伺いましょう。

お供え物の送付

お花や供物を葬儀会場または自宅に送ることで、弔意を表すことができます。

まとめ

弔電は、直接参列できない場合の重要な弔意表現の手段です。適切な文面と正しい送り方で、故人への敬意と遺族への思いやりを伝えることができます。

文面選びでは、故人との関係性や相手の宗教的背景を考慮し、心のこもった言葉を選ぶことが大切です。また、確実に届けるためには、余裕を持った手配と正確な宛先の確認が不可欠です。

最も重要なのは、形式よりも故人を偲ぶ気持ちと遺族を思いやる心です。その気持ちが込められた弔電は、きっと遺族の心に届くことでしょう。

弔電のサービスや料金は事業者によって異なります。詳細は各電報サービスにお問い合わせください。

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